教職課程事務入門【3】 経過措置、単位の読み替え、単位の流用・使用等の学力に関する証明書の作成に関わる実務を理解する

小野 勝士・山田 光子 著
B5判232ページ 定価:本体2,700円+税
ISBN978-4-909124-38-8 C3037

◯教育職員免許法の改正による経過措置、旧課程以前において修得した単位のみなし、入学前の既修得単位の認定、学力に関する証明書の作成等の単位修得の在り方について解説
◯編転入生等の教員免許状取得に向けて的確な履修指導を行うために必要な知識を網羅
◯単位の流用・単位の使用に関する事例研究を5編収録

本書で扱う内容の多くは大学の裁量に委ねられる部分が多く、どこまでが法令で定められた事項でどこからが大学の裁量で決めることができる内容か判断するにあたって迷う場面があるため、法定事項と裁量事項がわかるように解説した。
さらに、法令を読む時に知っておくべき法律の体系や用語の解説とともに、教職課程事務に対する取り組み方を最新の知見を交えながら紹介する。

注文書を印刷して購入(必要事項をご記入の上、書店または当社にお申込みください)
amazonで購入

◎正誤表

目 次

第1章 教育職員免許法等法令を正しく読むために
1.教職課程事務と法令
2.特別法と一般法
3.「法律」「施行規則」
4.本則と附則
5.条文の構造
(1)項と号
(2)本文・ただし書・前段・後段
6.法令用語
(1)「及び」と「並びに」
(2)「又は」と「若しくは」
(3)「場合」「とき」「時」
(4)「その他」と「その他の」
(5)「者」「物」「もの」
(6)「みなす」と「推定する」
(7)「当分の間」
(8)「準用」
(9)「前」「以後」
(10)「なお従前の例による」「なおその効力を有する」
(11)「直ちに」「速やかに」「遅滞なく」

第2章 免許法改正時の経過措置
1.経過措置とは
2.平成28年改正免許法(いわゆる新法)
(1)条文
(2)想定される29パターンの事例研究
3.平成20年改正免許法施行規則(教職実践演習の経過措置)
(1)第1条
(2)第2条
(3)第3条
(4)第4条
(5)平成29年改正免許法施行規則施行後も適用される
4.平成22年改正免許法施行規則(福祉)
(1)改正の概要
(2)条文
(3)経過措置のまとめ
5.平成18年改正免許法(特別支援学校)
6.平成12年改正免許法施行規則(中高「音楽」「美術」「家庭」「外国語」、中学「技術」、高校「工芸」「看護」において科目区分の一部改正、削除)
(1)改正の概要
(2)条文
7.平成10年改正免許法(いわゆる旧法)
8.介護等体験特例法による経過措置
9.平成元年改正免許法(高校社会から地理歴史及び公民への変更)
10.昭和63年改正免許法(いわゆる旧々法)

第3章 単位のみなし
1.みなしとは
2.免許法の改正の変遷
(1)昭和29(1954)年改正
(2)昭和63(1988)年改正
(3)平成10(1998)年改正
(4)平成16(2004)年改正
(5)平成18(2006)年改正
(6)平成28(2016)年改正
3.適用法令の考え方
4.平成28年改正免許法における単位の読み替え
(1)全般的事項
(2)旧教科に関する科目、養護に関する科目及び栄養に係る教育に関する科目の読み替え
(3)旧教職に関する科目
5.平成18年改正免許法による単位の読み替え(特別支援学校)
6.平成10年改正免許法(いわゆる旧法)による単位の読み替え
7.昭和63年改正免許法(いわゆる旧々法)による単位の読み替え

第4章 入学前の既修得単位の取扱い
1.入学前に既修得単位がある場合
2.既修得単位の認定に関する大学設置基準の関連条文
3.出身学科等に課程認定があったかどうかの確認
4.出身学科等が課程認定ありの場合
(1)短大からの編入の場合
(2)大学からの転入の場合
5.免許法施行規則第10条の2
(1)条文の概要
(2)旧法下での修得単位の取扱い
(3)旧法下で一部の単位のみ修得している場合
6.免許法施行規則第10条の3
(1)条文の概要
(2)旧法下での修得単位の取扱い
(3)同一大学内の単位認定はできない
(4)編転入前後で免許課程が異なる場合の単位認定
(5)認定の上限単位数
7.免許法別表第1備考第5号ロ
(1)条文の概要
(2)条文の解釈

第5章 学力に関する証明書
1.学力に関する証明書とは
2.条文
3.証明書様式
4.新課程対応の証明書様式について
(1)基礎資格
(2)単位修得機関・単位修得期間
(3)単位
(4)その他

第6章 複数の課程で単位修得する場合の具体事例
1.複数の課程での単位修得
2.単位の流用
【事例研究】一種免課程を有する大学で、免許法第5条別表第1により中学校一種免許状を取得した後、流用規定を用いて小学校一種免許状取得を目指す場合の単位修得方法
3.「単位の使用」に関する事例研究
【事例1】高一種免「地理歴史」の課程のある学科等を卒業し、他大学の科目等履修制度により高一種免「地理歴史」を取得する(出身学科等と科目等履修を行う学科等の認定課程が同一の場合)
【事例2】中一種免「社会」の課程のある大学を退学し、中一種免「英語」の課程のある大学へ入学。出身大学の単位を生かしつつ不足単位を修得し、中一種免「英語」を取得する(出身学科等と科目等履修を行う学科等の認定課程が異なる場合)
【事例3】短大で中二種免(英語)を取得し、中一種免(英語)の課程認定のある4年制大学の3年次に編入学し、中一種免(英語)を取得する(免許法第10条の3第1項の規定に基づき単位認定を行い不足単位を修得する)
【事例4】短大で中二種免(英語)を取得し、中・高一種免(英語)の課程認定のある4年制大学の3年次に編入学し、中一種免(英語)を取得する(免許法第10条の2第1項の規定に基づき修得単位を使用し、不足単位を修得する)

第7章 教職課程所管事務組織の自己点検
1.教職課程所管事務組織の自己点検の必要性
2.教職課程の質保証
(1)教職課程事務担当者の立場・役割と課題
(2)教職課程の質保証に向けた政策動向)
3.教職課程のあるべき姿
4.教職課程のあるべき姿を実現するための使命
(1)定型業務担当者
(2)政策立案等に関わる業務担当者・管理職位者
5.自己点検項目
(1)免許法施行規則第22条の6に定める情報の公表が行われているか
(2)教育課程の変更届は確実に提出されているか
(3)履修の手引きの記述は適切か
(4)文部科学省からの通知文等はわかりやすくファイリングされているか
(5)証明書、一括申請等各業務のマニュアルは整備されているか
(6)編転入生の単位認定基準は明確に定められているか
(7)旧法以前から新法へのみなしの基準は定められているか
(8)これまでの中教審答申の内容を把握し、今後実現の可能性のあるものへの対応はできているか


著者紹介
小野 勝士
龍谷大学世界仏教文化研究センター事務部専任事務職員、研究部を兼務
関西学院大学大学院法学研究科民刑事法学専攻博士課程前期課程修了後、龍谷大学に入職。教学部、財務部、文学部教務課を経て2016年4月より現職。
山田 光子
立命館大学産業社会学部小学校教員養成課程サポートセンター専門職契約職員(2020年3月末まで)
2004年より京都造形芸術大学の副手として教職課程の事務全般を担当。2008年、立命館大学の専門職契約職員となる。これまで、教育実習・介護等体験の手続き、学力に関する証明書の作成、再課程認定申請など幅広い業務に従事。2012年には、文部科学省による教職課程認定大学等実地視察を経験。