12/25発行 実践から学ぶ 総合的な学習の時間の指導と授業づくり

土井 進・塩原 孝茂 編著
A5判196ページ 定価:本体1,700円+税
ISBN978-4-909124-35-7 C3037

・総合的な学習の時間の授業理論が知りたい。
・探究課題はどうやって決めればいい?
・どんな教材で授業を構想するの?
・子どもに身に付けさせたい資質・能力と授業の中身が結びつかない。
などなど……「総合」の授業づくりは難しい!?
本書は、第1章で「総合的な学習の時間」の授業理論を概説。第2章〜第 13 章では学校種、探究課題等のテーマに応じた実践事例を紹介。授業の構想段階から詳細に説明することで育成する資質・能力に迫り、その上で授業の全体像を捉えられるように構成。

◯新学習指導要領に対応した「総合的な学習の時間」の授業理論を収録。
◯小学校8例、中学校1例、高等学校1例、特別支援学校1例、大学1例の合計12事例を収録し、全校種をカバー。
◯小学校の例では「指導計画」「学習指導」「探究課題の設定と振り返り」「地域学習」「福祉学習」「キャリア教育」「シティズンシップ教育」「情報教育」に焦点を当てて実践事例を詳説。

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目 次

第1章 総合的な学習の時間の意義と授業理論
1.学習指導要領と総合的な学習の時間
(1)総合的な学習の時間の創設
(2)生活科の成果
(3)平成29年学習指導要領が示す「三つの柱」と総合的な学習の時間
2.総合的な学習の時間の源流
(1)教科カリキュラムと経験カリキュラム
(2)西洋教育史の中の経験カリキュラム
(3)日本教育史の中の経験カリキュラム
3.総合的な学習の時間と「羅生門的接近」
4.総合的な学習の時間が目指す授業像、教師像、子ども像

第2章 総合的な学習の時間の教育効果
1.カリキュラム・マネジメントの流れを加速した総合的な学習の時間
(1)学校裁量の時間(ゆとりの時間)の創設とカリキュラム・マネジメント
(2)生活科の新設と選択教科の拡大に対応するカリキュラム・マネジメント
(3)総合的な学習の時間のカリキュラム・マネジメント
(4)大学生版「総合的な学習の時間」である「総合演習」の取り組み
(5)高等学校学習指導要領改訂による総合的な探究の時間の新設
2.「総合的な探究の時間」の指導法を活用した大学生による地域連携活動の実践
(1)学生が体験してきた小中高校での総合的な学習の時間の学びと評価
(2)探究課題の設定と指導上の工夫
(3)探究活動の実際と教育効果の検証
3.総合的な学習の時間の可能性
(1)カリキュラム・マネジメントのきっかけとなる科目
(2)児童生徒の学びにおける可能性
(3)教師の生徒指導力向上への期待

第3章 総合的な学習の時間の指導計画
1.総合的な学習の時間の目標
2.学校教育目標を踏まえた総合的な学習の時間の目標・内容の設定
3.ホタルの飼育活動を探究課題とした「ふるさと学習」
4.ホタルの飼育活動の年間指導計画と飼育活動の実際
(1)ホタルの飼育活動の年間指導計画
(2)幼虫放流式
(3)ホタル観察会
(4)河川清掃
(5)産卵床・箱の準備、産卵
(6)カワニナ取り
(7)ホタル幼虫引き渡し式
5.ホタルの飼育活動を通して育成された資質・能力
6.オオムラサキの観察を探究課題とした「ふるさと学習」
(1)探究課題をオオムラサキの観察に設定した経緯
(2)オオムラサキの観察の年間指導計画
(3)オオムラサキの幼虫との出会い
(4)学区域内にある群棲地へ ―ここにいるなんて初めて知った―
(5)児童の疑問・探究心から始まった授業
(6)オオムラサキの観察を探究課題とした学習のまとめ
7.オオムラサキの観察を探究課題とする総合的な学習の時間の成果
8.ホタルとオオムラサキの実践を通じた教育目標の実現

第4章 総合的な学習の時間の学習指導
1.実践の振り返りから
(1)3年次の実践
(2)4年次の実践
(3)5年次の実践
(4)6年次の実践
2.総合的な学習の時間における学習指導の基本的な考え方
(1)教材開発の視点
(2)教科との関連
(3)実践から学ぶ
3.探究的な学習の過程における「主体的・対話的で深い学び」の実現
(1)児童の捉え
(2)教師の姿勢
(3)教師が「待つ」こと
(4)実践から学ぶ
4.探究的な学習の指導のポイント
(1)課題の設定
(2)情報の収集
(3)整理・分析
(4)まとめ・表現
5.総合的な学習の時間の評価
6.総合的な学習の時間のカリキュラム・マネジメント
(1)地域に関わりのある教材を
(2)時間割にこだわらない
(3)情報を発信

第5章 探究課題の設定と振り返り ―児童の自己肯定感を高める学習活動の追究―
1.はじめに
2.単元「アマランサスの栽培」の構想
(1)児童の実態
(2)「雑穀」という言葉との出会い
(3)探究課題に「アマランサスの栽培」を設定する意義
(4)ESDの視点から見た「アマランサスの栽培」の意義
(5)児童に身につけさせたい力 ~素材アマランサスのもつ価値~
3.単元「アマランサスの栽培」の実際
(1)アマランサスの栽培
(2)人との出会い、本物との出会い
(3)アマランサス入りの料理作り
(4)発信する活動へ ~おやきをPRしよう~
4.「アマランサスの栽培」による児童の成長

第6章 地域学習 ―米作り体験の実際と児童の成長― 丸山 晃男
1.はじめに
2.単元「開田高原の米作りを学ぼう」の構想
3.単元「開田高原の米作りを学ぼう」の実際
(1)単元の指導計画
(2)学習の実際と指導上の工夫
(3)児童に見られた成長の姿
4.学びの充実に向けて
(1)子どもが主体的に活動することを意識
(2)他教科とのつながりを意識した活動の設定
(3)最大の壁は教師自身

第7章 福祉学習 ―高齢者福祉施設の訪問を通じて児童は何を学ぶか―
1.はじめに
(1)めざす児童像
(2)めざす教師像
(3)めざす学校像
2.単元「お年よりとなかよくなろう」の構想
(1)探究課題の設定
(2)単元観
3.年間指導計画・単元の指導計画
(1)年間指導計画
(2)単元「お年よりとなかよくなろう」の指導計画
4.教科横断的な学習活動
5.実践のまとめ
(1)児童の主体的な姿から
(2)教科横断的・総合的な学びで何を目指すか

第8章 キャリア教育 ―社会人との直接対話を通した「いい仕事」の学び―
1.はじめに
(1)実践校について
(2)児童の課題
(3)児童の願う姿
2.探究課題の設定
3.単元「ものづくりを支えるいい仕事」の構想
(1)単元の設定
(2)社会人と直接対話する学習の価値
(3)単元の展開
4.単元「ものづくりを支えるいい仕事」の実際
(1)仕事をしている人に触れる
(2)会社を知る・仕事を知る
(3)商品を売ることを学ぶ
5.おわりに

第9章 シティズンシップ教育 ―原発再稼働問題を通じた政治的リテラシーの育成―
1.総合的な学習の時間におけるシティズンシップ教育
2.単元「原発再稼働問題について考えよう」の構想
(1)実践校について
(2)探究課題に原発再稼働問題を取り上げる意義
(3)単元「原発再稼働について考えよう」の全体計画
(4)教科横断的・総合的な視点を育む
3.「政治的リテラシー」の涵養を目指した指導の実際
(1)グループでの話し合いと支援のあり方
(2)「政治的リテラシー」を涵養する“独り”で考え直す意見文

第10章 情報教育 ―リーフレットの製作と紹介を通した情報活用能力の育成―
1.情報教育に関わる社会背景
(1)急速な情報化の進展と児童生徒を取り巻く環境の変化
(2)情報化社会で児童生徒に必要とされる資質・能力
2.教育の情報化
(1)情報教育の目標
(2)情報教育の推進
(3)総合的な学習の時間と情報教育
3.総合的な学習の時間で取り組んだ情報活用能力の育成
(1)単元名
(2)対象学年
(3)単元の主な流れ
(4)指導上の留意点
(5)学習活動の実際
(6)実践を通した児童の成長
4.情報教育に求められる教科横断的な視点

第11章 中学校における総合的な学習の時間の実際 ―中学校3年間を見通したキャリア形成を目指して―
1.はじめに
2.総合的な学習の時間で育成する資質・能力
(1)学校教育目標
(2)総合的な学習の時間の全体構想
3.横断的・総合的な探究課題の設定と年間指導計画の作成
(1)横断的・総合的な探究課題設定の視点
(2)年間指導計画の作成
4.単元「自然・農林体験学習」の構想と単元計画の作成
(1)生徒の職業選択の視野を広げるための体験学習
(2)教科・道徳等との連携
(3)作成した単元計画
5.単元「自然・農林体験学習」の展開
(1)オリエンテーションの留意事項
(2)各教科・領域との連携
(3)体験学習の実際
(4)評価材料としての「活動のまとめ」
6.実践のまとめ

第12章 高等学校における総合的な探究の時間の実際 ―職業教育を主とする専門学科における「課題研究」の実践―
1.はじめに
(1)学校教育目標と本校での学び
(2)職業教育を主とする専門学科における総合的な探究の時間
2.専門科目「家庭」における「課題研究」
(1)「課題研究」の内容
(2)学校家庭クラブ活動と「課題研究」
3.「総合的な探究の時間」(2年次)と「課題研究」(3年次)の実際
(1)2年次「総合的な探究の時間」の学び
(2)2年次「総合的な探究の時間」から3年次「課題研究」へ
(3)3年次「課題研究」の学び
(4)「課題研究」の指導上の留意点
(5)「総合的な探究の時間」と「課題研究」による生徒の変容
4.社会に開かれた教育課程の取り組み
5.結びに

第13章 特別支援学校高等部における総合的な探究の時間の実際 ―茶道と作業学習を関連させた主体的で協働的な学び―
1.はじめに
(1)特別支援学校高等部における総合的な探究の時間
(2)学校教育目標と高等部の学び
(3)茶道を探究課題に設定した理由
2.高等部3年間の茶道の学習
(1)1年次・茶道の基本を学ぶ
(2)2年次・相手意識をもって活動する
(3)3年次・個性や主体性を大切にし、相手意識をもった協働的な活動へ
3.茶道を中核とした総合的な探究の時間の年間指導計画(3年次)
4.単元「神無月お茶会をしよう」の構想と展開
(1)単元「神無月お茶会をしよう」の構想
(2)単元「神無月お茶会をしよう」の指導計画
(3)授業の展開
5.実践のまとめ
(1)生徒の様子から
(2)新学習指導要領との関連性から
(3)特別支援学校高等部における総合的な探究の時間の意義


執筆者一覧(所属/執筆担当)
塩原 孝茂 (山ノ内町立西小学校長/第1章)
土井 進  (淑徳大学人文学部教授/第2章)
新井 清規 (長野市立戸隠小学校教諭/第3章・第4章)
菅原 勇介 (山ノ内町立南小学校教諭/第5章)
丸山 晃男 (木曽町立開田小学校教諭/第6章)
関 亮子  (佐倉市立白銀小学校教諭/第7章)
茶木 一  (諏訪市立城北小学校教諭/第8章)
岡田 泰孝 (お茶の水女子大学附属小学校教諭/第9章)
林 一真  (名古屋市立白水小学校教諭・愛知教育大学大学院教育学研究科/第10章)
角田 正和 (倉敷市立連島南中学校主幹教諭/第11章)
森下 房枝 (栃木県立小山北桜高等学校教諭/第12章)
宮沢 真由子(長野県長野養護学校教諭/第13章)

編著者紹介
土井 進(どい すすむ)
東京教育大学大学院教育学研究科修士課程修了。修士(教育学)。
社会教育主事補、東京都公立中学校教諭、お茶の水女子大学附属中学校教諭、信州大学教育学部教授などを経て、現在、淑徳大学人文学部教授。
専門は実践的指導力を備えた教員の養成。

塩原 孝茂(しおはら たかしげ)
信州大学大学院教育学研究科学校教育専攻修士課程修了。修士(教育学)。
長野県公立小中学校で32年間勤務。現在、山ノ内町立西小学校長。平成23年度文部科学大臣優秀教員表彰。
専門は自然体験活動、生活科・総合的学習教育。

※所属・職名は2019(令和元)年12月現在