新しいうんどう 『基本のうんどう』

代表著者 西郷 建彦
A4判54ページ 定価:本体1,200円+税
ISBN978-4-909124-61-6 C3037

NMBPから「新しいうんどう」へ 自立活動の「教科書」が待望の出版

 特別支援学校における重度重複障害児の自立活動は、多くの教師が「何をしてよいのかわからない」と感じており、有効な手立てがなかったり、理学療法士や作業療法士のような施術をしたりしているのが実態です。教育としての自立活動を確立するために、教育の専門家としての教師が、自立活動を教育として行うための「教科書」が必要です。
 「新しいうんどう」は、従来、経験知や実践知で行われてきた重度重複障害児への教育実践に、医学や解剖学、生理学等の理論にもとづく科学的な仮説を取り入れ、誰でもが、どんな子どもにも、安全に、教育として最低限必要とされるものを教えることができることをめざします。
 本書は、「新しいうんどう」の基本部分(健常児でいう読み書き計算)の学習(「基本のうんどう」)を教科書としてまとめました。1日20分程度の時間、継続して繰り返し学習することで、筋の緊張のコントロール等を学び、手足の操作、呼吸や排泄、姿勢の保持といった生活に必要な力を身につけます。
 混沌とした重度重複障害児の自立活動の実践において、未来志向で、かつ教師の専門性を回復するような教育実践に一石を投じるものです。特別支援学校で日々奮闘している先生方はもちろんのこと、教育行政関係者、福祉関係者にも参考になります。
 ぜひ、本書を自立活動の教科書としてご利用いただき、重度重複障害児一人ひとりの可能性を伸ばすことにご活用ください。

※「新しいうんどう」は「基本のうんどう」「基礎のうんどう」「課題のうんどう」「日常のうんどう」により構成されます。本書で学習する「基本のうんどう」は「新しいうんどう」の基盤となるものですが、歩行や手の操作、言語などの改善を目指す場合、目的に応じて「基礎のうんどう」「課題のうんどう」「日常のうんどう」を学習する必要があります。「基礎のうんどう」「課題のうんどう」「日常のうんどう」をまとめた書籍を今後発行する予定です。

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目 次

好きなこと やってみたいこと
時間を決めて学習しましょう
安全に学習しましょう

1 手の学習・遠近の学習
指全体と手首を感じよう/指の間を感じよう/指を感じよう/指の付け根の間を感じよう/指先を感じよう/手のひらで圧を感じよう/いろんな感覚を確かめよう/手を体から離してみよう/手を体に近づけてみよう/遠く、近くを繰り返そう

2 足の学習・身体への気づきの学習
指全体と足首を感じよう/指の間を感じよう/指を感じよう/指の付け根の間を感じよう/指先を感じよう/足のうらで圧を感じよう/いろんな感覚を確かめよう/足全体を感じよう/ゆれを感じよう

3 おなかの学習・上下の学習
おなかの真ん中を感じよう/おなかの外側を感じよう/おなかの内側を感じよう/まるまってみよう/横に転がってみよう/上に伸びてみよう/下に伸びてみよう

4 首の学習・左右の学習
首の内側を感じよう/首の外側を感じよう/左右にねじれてみよう/手を左右に伸ばしてみよう

5 背中の学習・こしの学習
背中の真ん中を感じよう/こしの後ろを感じよう/股関節を動かそう

6 のどの学習・口の学習・座位の学習
のどの前を感じよう/のどの横を感じよう/のどの後ろを感じよう/口を感じよう/体育座りをしてみよう/座ったままゆれてみよう/おなかを感じよう/肩の前を感じよう/手を高くあげてみよう/骨盤を起こそう/むねを起こそう

「新しいうんどう」でこれから学ぶこと


著者紹介
代表著者 西郷 建彦(さいごう たてひこ) 元特別支援学校教員
有限の内容を学ぶことによって無限に対応できる「新しいうんどう」を提案し、誰でもが、どんな子どもにも教育として最低限必要とされるものを教えることができることをめざしている。