小川 義和 編著
四六判 352ページ 定価:本体2,100円+税
ISBN978-4-909124-27-6 C0030
本書は、博物館における多様な文化の創造や継承という機能に注目し、それに関わる問題意識やリテラシーを醸成する博物館の教育機能に焦点を当てる。その際、学校等と実際に連携・協働する博物館の参考事例15編を取り上げる。具体的には、学校等との連携・協働を通じて学校教育の支援や拡張を図っている例(7編)、博物館のもつ地域文化の多様性を学校教育に還元している例(3編)、将来の地域文化の創造を担う人材の養成に工夫と努力を行っている例(5編)である。その上で、今後、博物館が自らの使命として学校教育と連携・協働するための方途を検討する。
▶新学習指導要領の実施に向けて、学校と博物館はどう連携・協働するべきか
座談会「博物館と学校が協働する意義」を収録
鳴川 哲也(文部科学省教科調査官)・可児 光生(美濃加茂市民ミュージアム館長)・小川 義和(国立科学博物館連携推進・学習センター長)
1.「社会に開かれた教育課程」と博物館/2.理科の「見方・考え方」とは/3.博物館だからできる学び/4.人・物・空間という博物館の魅力/5.コンテクストを踏まえた博学連携に向けて
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目 次
Ⅰ部 博学連携の現在地
1章 今、求められる博学連携の在り方――3つの〝C〟の共有と人材育成の取り組み
2章 座談会 博物館と学校が協働する意義
Ⅱ部 協働する博物館
1章 学校と博物館との連携
① クリエイティブな大人が増えるために――大人も子どももアクセスしやすい美術館を目指して 【大原美術館】
② 学校教育を通じて地域の文化を伝承する――地域の博物館が学校教育に果たすべき役割とは 【美幌博物館】
③ 本物を「見る」「さわる」って楽しい!――出前授業は博学連携の第一歩 【川越市立博物館】
④ 科学館に中高生を呼び込め!――SSH指定校と連携した高校生スタッフの活用と事業の展開 【山梨県立科学館】
⑤ 科学の力で高校生の主体性を引き出す――科学館の資源を生かした人材育成支援 【郡山市ふれあい科学館】
⑥ ユニバーサルミュージアムの視点での博学連携――誰もが科学を楽しめる科学館を目指して 【高知みらい科学館】
⑦ 特別支援学校と院内学級への教育支援――ハンディキャップのある子どもたちをもっと博物館へ!【琉球大学博物館(風樹館)】
2章 博学連携と地域
① 「つながり」を生かした小学校教育支援――学校へ、地域へ「つながる博物館」の取り組みと挑戦 【横須賀市自然・人文博物館】
② 市民とつくる博物館のかたちとは――市民パートナーとの協働でつくる新たな博物館活動の展開 【東近江市博物館グループ】
③ 博物館が連携・協働する教育普及活動の試行錯誤――学芸員と社会教育主事、司書、教員が特色を活かし合う 【湧別町ふるさと館JRY・郷土館】
3章 学校と博物館をつなぐ
① 博学連携で学校教育の質の向上を目指す――教員養成・研修・研究授業で動物園の資源を活用する取り組み 【愛媛大学・とべ動物園】
② 美術館・学校・地域が「色」でつながる――本物の美術・文化を地域に届ける取り組み 【「地域の色・自分の色」実行委員会】
③ 小規模博物館における連携・協働の模索――「教員のための博物館の日」の実施から得たもの 【大船渡市立博物館】
④ 博物館の協働による「教員のための博物館の日」――教員と博物館が出会い、その関係を育てる場所に 【大阪市立自然史博物館】
⑤ 「教員のための博物館の日」の実施と展開――魅力的で参加しやすいプログラムの開発と運用 【島根県立三瓶自然館】
Ⅲ部 博学連携の充実に向けて
1章 博学連携で博物館に求められること――博物館が取り組むカリキュラム開発を中心に
2章 博物館と学校の新たな連携・協働の姿――教育機能の拡充による新しい学びのデザイン 序
執筆者一覧(所属・執筆担当、執筆順)
小川 義和 (国立科学博物館連携推進・学習センター長/はじめに・Ⅰ部1章・Ⅰ部2章・Ⅲ部2章)
鳴川 哲也 (文部科学省初等中等教育局教育課程課教科調査官/Ⅰ部2章)
可児 光生 (美濃加茂市民ミュージアム館長/Ⅰ部2章)
柳沢 秀行 (公益財団法人大原美術館学芸課長/Ⅱ部1章①)
町田 善康 (美幌博物館学芸員/Ⅱ部1章②)
土井 和貴 (川越市立博物館教育普及担当/Ⅱ部1章③)
上野 元嗣 (山梨県立科学館学芸主事(2019年4月より浜松科学館みらい〜ら事業企画グループサイエンスチームリーダー)/Ⅱ部1章④)
安藤 享平 (郡山市ふれあい科学館企画運営課主任・学芸員/Ⅱ部1章⑤)
梅本 顕史 (郡山市ふれあい科学館企画運営課主査・学芸員/Ⅱ部1章⑤)
岡田 直樹 (高知みらい科学館学芸員/Ⅱ部1章⑥)
佐々木 健志(琉球大学博物館(風樹館)学芸員/Ⅱ部1章⑦)
内舩 俊樹 (横須賀市自然・人文博物館主任学芸員/Ⅱ部2章①)
角川 咲江 (西堀榮三郎記念探検の殿堂学芸員/Ⅱ部2章②)《代表筆者》
林 勇介 (湧別町教育委員会ふるさと館JRY・郷土館学芸係主任(学芸員)/Ⅱ部2章③)
向 平和 (愛媛大学教育学部准教授/Ⅱ部3章①)
前田 洋一 (愛媛県立とべ動物園副園長/Ⅱ部3章①)
宮内 敬介 (愛媛県立とべ動物園教育普及課長/Ⅱ部3章①)
池田 敬明 (愛媛県立とべ動物園教育普及担当/Ⅱ部3章①)
照山 龍治 (「地域の色・自分の色」実行委員会委員長/Ⅱ部3章②)
木村 典之 (「地域の色・自分の色」実行委員会副委員長/Ⅱ部3章②)
塩月 孝子 (「地域の色・自分の色」実行委員会事務局長/Ⅱ部3章②)
白圡 豊 (大船渡市立博物館係長・学芸員/Ⅱ部3章③)
釋 知恵子 (大阪市立自然史博物館/Ⅱ部3章④)
星野 由美子(公益財団法人しまね自然と環境財団学芸課企画幹/Ⅱ部3章⑤)
遠藤 大介 (公益財団法人しまね自然と環境財団学芸課研究員/Ⅱ部3章⑤)
高安 礼士 (福岡市科学館プロジェクトアドバイザー/Ⅲ部1章)
※所属・職名は2019年3月現在