教員養成・免許制度はどのような観点から構築されてきたか 目次

シナプス編集部 著作
A5判 132ページ 定価:本体2,100円+税
ISBN978-4-909124-06-7 C3037

現在の教員免許制度は、昭和63年に行われた抜本的な改正以来、児童生徒の状況、学校教育の課題や方向性に応じて数次にわたり改正が行われてきた。本書は、昭和63年から今日に至るまで、制度の改正全体を俯瞰し、教員免許制度が目指す方向性を整理してこれを明らかにする。具体的には、制度改正に関連する審議会答申や文部科学省通知等を参考に、その趣旨、改正の推移と目的等を記述し、関連して指摘される課題等についても私見を交えて適宜取り入れる。


序章 本書の視点と枠組み

1章 教員に広く人材を求める措置―免許種毎の特色と改善―
 1.修士レベルの免許状(専修免許状)の創設と改善
 (1)普通免許状の区分
 (2)二種免許状所持者の努力義務
 (3)専修免許状の創設と特色
 (4)教職大学院の創設と専修免許状
 2.社会人を対象とする免許状(特別免許状)の創設と改善
 (1)免許状の種類
 (2)特別免許状の創設と改善
 3.社会人を活用する免許状主義の例外(特別非常勤講師制度)の創設と改善
 (1)講師の免許状
 (2)特別非常勤講師制度の創設と改善
 4.大学における免許状取得機会(教職特別課程)の創設

2章 教員に求められる資質能力に対処する措置―免許状授与基準の改善―
 1.免許基準の意義
 2.教員に求められる資質能力と免許基準の改善
 (1)昭和63年免許法改正
 (2)平成10年免許法改正
 (3)現在
 (4)今後の改善の方向性
 3.特別法による介護等体験の必修化

3章 実践的指導力の育成―新たな学びを支える教員に求められる実践的指導力とは―
 1.実践的指導力
 (1)教員に求められる実践的指導力
 (2)教科指導、生徒指導等を適切に行うための実践的指導力
 2.学部・大学院レベルでの実践的指導力の育成
 3.新たな学びを支える教員に求められる実践的指導力
 (1)これからの教員に求められる資質能力
 (2)新たな学びを展開できる実践的指導力の育成
 (3)教科指導、生徒指導等を的確に実践できる力の育成
 (4)重ねて実践的指導力の育成のために
 (5)実践的指導力と教育研究
 4.実践的指導力と学び続ける教員像の確立

4章 課題探求力の育成―教学改革の課題と教員養成―
 1.大学改革―教育機能の強化―
 (1)学士課程教育
 (2)アクティブ・ラーニング
 2.社会を生き抜く力の育成
 (1)課題探求力
 (2)グローバル社会対応力
 3.教員養成と社会を生き抜く力
 4.学び続ける教員像の確立に向けて
 5.学び続ける教員像と社会を生き抜く力の育成
 6.社会を生き抜く力の育成をすべての学生に共通の学修成果として

5章 教員の専門性を担保する措置―免許状の上進制度の改善、総合化と弾力化―
 1.上位の免許状の取得を促す措置
 (1)教職課程の修了による上位免許状の取得
 (2)教育職員検定の合格による上位免許状の取得
 2.隣接校種免許状の取得を促す措置―免許状の総合化に関連して―
 (1)免許状の総合化(幼稚園・小学校・中学校・高等学校)
 (2)隣接校種免許状の取得促進の方策
 3.教員の専門的知識・技能を活用する措置―免許制度の弾力化―
 (1)相当免許状主義と免許制度の弾力化
 (2)免許状所有者確保の困難性への対応
 (3)専門的な知識・技能を有する教員の活用

6章 免許状に対する信頼性を増す措置―知識・技能のリニューアル、適格性の確保―
 1.知識・技能を刷新(リニューアル)するための措置―免許更新制―
 (1)免許更新制の目的
 (2)適格性確保、専門性向上の観点との関連
 (3)免許状の効力と免許更新制
 (4)免許更新制の成果
 2.免許状に対する信頼
 (1)免許状と教員としての適格性
 (2)免許状の授与に係る信頼性の確保
 (3)免許状の所持に係る信頼性の確保
 3.教職課程に対する信頼
 (1)教職課程
 (2)是正勧告と認定取消
 (3)情報の公表

7章 制度の創設に対応する措置―新たな免許状の創設、新たな学校種への対応―
 1.新たな免許状の創設
 (1)栄養教諭制度と新たな免許状の創設
 (2)特別支援学校制度と新たな免許状の創設-免許状の総合化-
 2.新たな学校種の創設
 (1)中等教育学校制度と免許状の併有
 (2)義務教育学校制度と免許状の併有
 (3)幼保連携型認定こども園と免許状・資格の併有

8章 大学と教育委員会、学校等との連携
   ―連携・協力から連携・協働、教員育成協議会へ―
 1.連携の深化を目指して―平成11年教養審答申―
 (1)平成11年教養審答申
 (2)具体の提言
 (3)連携を深める方策
 2.連携・協力―平成18年中教審答申―
 (1)平成18年中教審答申
 (2)具体の提言
 (3)連携・協力
 3.連携・協働―平成24年中教審答申―
 (1)平成24年中教審答申
 (2)具体の提言
 (3)連携・協働
 4.教員育成協議会の創設―平成27年中教審答申―
 (1)平成27年中教審答申
 (2)教員育成協議会
 (3)連携と教員育成協議会

9章 高度専門職業人の育成―修士レベル化の方向性と教員養成の充実・強化―
 1.教員の高度専門職業人としての位置付けの必要性
 2.大学院制度と高度専門職業人の養成
 (1)修士課程と高度専門職業人の養成
 (2)専門職大学院と高度専門職業人の養成-教職大学院の設置-
 3.教員養成の修士レベル化の提言
 (1)平成24年の中教審答申の提言
 (2)修士レベル化の意義
 (3)修士レベル化実施のために
 (4)専門免許状(仮称)の創設
 4.高度専門職業人養成の中心は教職大学院
 (1)教職大学院の拡充
 (2)修士課程の実質化
 5.大学と教育委員会の連携による高度化
 (1)教職大学院を核とする連携と高度化
 (2)教員育成指標の策定による高度化