世界の学校管理職養成
篠原 清昭 編著
A5判 256頁
定価:本体2,400円(税・送料別)
ISBN978-4-909124-01-2 C3037
まえがき
序章 日本の学校管理職養成の課題
1.はじめに
2.学校管理職の資格制度と養成システム
3.学校管理職の資質力量と養成のコンテンツ
4.学校管理職の資格・養成とリーダーシップ
Ⅰ部 日本の学校管理職養成
1章 日本の学校管理職養成の歴史
1.戦後教育改革における校長免許状の制度化
(1)日米による校長養成・校長免許状制度の構想
(2)教育職員免許法等における校長免許状の取得要件
2.新制大学における校長養成の実施
(1)校長養成課程の設置と学校経営研究の進展
(2)教育指導者講習(IFEL)における校長の現職教育課程
3.校長免許状制度の課題と任用資格化
2章 日本の学校管理職養成の政策と理論
1.校長資格要件の変遷
2.自主的・自律的な学校経営を求める諸政策
3.校長に求められる力量の変遷 ─先行研究における理論史─
(1)Ⅰ期:草創期
(2)Ⅱ期:形成期
(3)Ⅲ期:発展期
4.まとめ ─日本の学校管理職養成が持つ課題─
3章 教職大学院における学校管理職養成
1.教職大学院と学校管理職養成
2.先行研究の検討
3.調査概要
4.調査結果の概観
5.管理職コースを設置している教職大学院の状況
6.管理職コースの設置構想をもつ大学院の状況
7.管理職の養成・研修における教育委員会との連携の状況
8.考察
4-1章 自治体と大学の学校管理職養成(兵庫県)
1.兵庫県における学校管理職養成の協働化の動機
2.協働化による学校管理職研修の特徴 ① ─ニューリーダー特別研修の「コンテンツ」─
(1)育成を目指す学校管理職の能力・力量像
(2)研修受講対象者の設定
(3)研修のプログラム(日程・教育内容)
3.協働化による学校管理職研修の特徴 ② ─ニューリーダー特別研修を支える「システム」─
4.兵庫県における学校管理職養成の協働化の到達点と課題
(1)ニューリーダー特別研修に対する受講者の省察と評価
(2)ニューリーダー特別研修の到達点と課題
4-2章 自治体と大学の学校管理職養成(岐阜県)
1.岐阜大学教職大学院と学校管理職養成
2.学校管理職養成のコンテンツについて
(1)学校管理職を養成するための指標
(2)学校管理職養成講習
(3)学校管理職養成講習の評価
3.学校管理職に関する登用前の養成について
4-3章 自治体と大学の学校管理職養成(静岡県)
1.静岡県における学校管理職養成の基本的考え方
(1)学校管理職養成の状況
(2)静岡県教育振興基本計画の理念
2.教員のライフステージと研修課題
3.学校評価制度および教職員人事評価制度に対応した研修の重視
4.マネジメント研修の具体的内容
(1)中堅教員のマネジメント研修
(2)管理職対象マネジメント研修
5.高等教育機関との連携
(1)「気概塾」開設の経緯とその内容
(2)「気概塾」の内容とその評価
(3)今後の展開への示唆
Ⅱ部 世界の学校管理職養成
5章 アメリカの学校管理職養成
1.はじめに
2.学校管理職(校長)の役割期待の変化
3.学校管理職の属性と学校組織環境
4.アメリカにおける学校管理職養成のシステム
5.州レベルでの学校管理職養成のシステムの実際 ─ウィスコンシン州の場合─
6.アメリカにおける学校管理職養成のコンテンツ ─全米レベル協議会による専門職基準の開発─
7.州レベルでの学校管理職養成のコンテンツの実際 ─ウィスコンシン州の場合
8.大学院における学校管理職養成の実際 ─ウィスコンシン大学マディソン校の校長免許プログラム─
(1)ウィスコンシン大学マディソン校ELPAの学校管理職養成
(2)校長免許プログラムの概要
(3)専門職基準・免許制度と大学院学校管理職養成プログラム
9.まとめ
6章 イギリスの学校管理職養成
1.校長資格の背景と動向
2.管理職の身分・待遇
3.管理職養成のシステム ─国家主導の一元的な社会実験─
(1)NCSLの創設
(2)リーダーシップ開発枠組み
4.管理職養成のコンテンツ ─校長職基準と資格─
(1)力量標準の内容と資格が保証する能力
(2)養成カリキュラムの標準内容
5.校長基準・資格の改訂とその背景
6.校長資格の課題
(1)実践への過度の傾斜
(2)主導権の偏り
7.校長資格の見直し
8.2012年版NPQH
(1)リーダーシップ開発の新カリキュラム導入
(2)改訂内容とプログラムの特徴
9.模索の続くイギリス
7章 ドイツの学校管理職養成
1.「教育者校長」の伝統
2.管理職養成の概観
3.学校経営の構造的特質
4.諸州における管理職研修の特徴
5.学校組織の特質と学校開発論
6.校長の採用および権限とその限界
(1)校長の採用
(2)校長の権限
(3)権限の限界と学校開発
7.ベルリンとブランデンブルク州における校長養成・研修の取組
8.校長の力量形成が直面する課題
8章 中国の学校管理職養成
1.はじめに
2.校長研修機関(学校管理職研修機関)
3.校長任用資格
4.小・中学校校長の任命手続きと任期期限
5.校長の資格化と養成
6.養成機関の認定と養成経費
7.校長専門職標準
8.校長養成の種類
9.校長養成の方式・内容・時間
10.校長養成の実施ステップ
(1)中央政府及び国家教育行政部門の政策の制定
(2)省市県各級政府の研修計画の制定と委託
(3)養成機関による具体的な実施
11.問題と展望
9章 台湾の学校管理職養成
1.台湾の学校管理職養成の特徴
2.校長登用試験応募における積算資格化
3.校長登用試験応募資格と大学の学校管理職養成
4.登用試験合格者に対する任用前研修と校長資格
5.地区の校長選考委員会による校長採用
6.台湾における学校管理職養成のシステムの課題
7.学校管理職育成ステージにおける養成と研修
8.大学における学校管理職養成のコンテンツ
9.研修機関による学校管理職養成のコンテンツ
10.台湾における学校管理職養成のカリキュラムの問題と課題
10章 シンガポールの学校管理職養成
1.校長資格の背景と動向
(1)教育改革の動向と校長の位置づけ
(2)管理職養成政策の展開
2.管理職養成のシステム ─教育リーダープログラム─
3.管理職養成のコンテンツ
(1)LEPプログラムの前提と特徴
(2)LEPの学校改善プロジェクト
(3)若手主任層の校長候補者としての育成 ─学校群によるリーダーシップ開発プログラム─
4.校長資格・養成の課題
(1)スクールリーダーシップの分散と学校ミドルへの注目
(2)政策遂行型を越えた校長育成
11章 韓国の学校管理職養成
1.はじめに
2.学校管理職の資格制度と任用システム
(1)校長の資格制度
(2)校長の資格検定
(3)校長の任用システム
3.校長の資質力量と養成コンテンツ
(1)校長の法的地位
(2)校長の職務
(3)研修課程を通じてみた校長資格
4.韓国校長養成に関する議論と課題
Ⅲ部 世界の学校管理職養成のシステムとコンテンツ
12-1章 世界の学校管理職養成のシステム
1.はじめに ─分析の視点─
2.背景と主導権
3.枠組み
4.校長像
12-2章 世界の学校管理職養成のコンテンツ
1.はじめに
2.学校管理職の資格・免許と国レベル専門職基準の策定
3.学校管理職養成プログラムの開発とその内容
終章 日本の学校管理職養成の開発モデル
1.未来の学校管理職育成システムの提案
2.学校管理職養成認証・評価機構と養成講習機関の設置
3.教育委員会による学校管理職の登用・研修の改善モデル
4.学校管理職育成のコンテンツのイメージ
5.学校管理職育成のカリキュラムイメージと養成・研修
6.学校管理職育成のカリキュラム構造とフローチャート
あとがき
執筆者一覧
世界の学校管理職養成・執筆者一覧(掲載順、所属は2017年1月現在)
篠原 清昭 (岐阜大学教職大学院教授、序章・9章・終章)
芥川 祐征 (新居浜工業高等専門学校講師、1章)
棚野 勝文 (岐阜大学教職大学院教授、2章)
辻野 けんま (上越教育大学教職大学院准教授、3章、7章)
大野 裕己 (兵庫教育大学教職大学院教授、4-1章・5章・12-2章)
平澤 紀子 (岐阜大学教職大学院教授、4-2章)
田村 知子 (岐阜大学教職大学院准教授、4-2章)
三尾 寛次 (岐阜県立関高等学校長、4-2章)
山﨑 保寿 (静岡大学教職大学院教授、4-3章)
末松 裕基 (東京学芸大学教育学部講師、6章・10章・12-1章)
牛 志奎 (仙台大学体育学部教授、8章)
高 鐫 (済州大学校教授、11章)
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